電卓はシンプルだからこそ目的に集中できる!カシオ商品企画のお仕事インタビュー!
どの家庭にも1台はある電卓。もしかしたら「CASIO」と書いてあるかもしれません。
今回はカシオ計算機株式会社の教育事業部アドバンス企画部 商品企画室の甲斐さんにお話を聞きました!
「こんな物があったらいいな」と考えるのが好きで商品企画に興味のあるお子さまをお持ちの方はぜひ参考にしてください!
カシオ計算機株式会社とは

電子式卓上計算機(電卓)を発売してから60周年を迎えたカシオ計算機株式会社(以下カシオ)。
今回、12月にカラーバリエーション豊富なデザイン電卓「カラフル電卓」「スタイリッシュ電卓」を発売。
「驚きを身近にする力でひとりひとりに今日を超える歓びを。」をパーパスに、カシオの強みを生かした商品・サービスの創出に取り組んでいる会社です。

カシオ計算機株式会社 教育事業部 アドバンス企画部 商品企画室 甲斐様
商品企画の仕事内容と役割

商品企画とは、市場や消費者の「これ欲しい!」を捉えて、新しい商品やサービスのアイデアを考え、仕様やコンセプトを具体的にする仕事です。
新しいサービスや商品を形にするために、ユーザーに喜んでいただけるか、技術的に可能かなど、現実的なことも含めて各部署と連携し、全体の進捗を管理するディレクターの役割を担うことも。
商品企画の仕事の流れ
カシオでの商品企画の仕事の流れは、下記の通りとのこと。
1.企画案を設計や営業などの部署と相談しながら商品像を練る
2.企画立案
3.企画書の承認を経て製品の開発に進む
4.開発製造 (開発部門)
商品企画として甲斐さんが関わるのは、上記の1~3ですが、製品が発売されるまで関わっていくのだそうです。
「開発製造部門に企画を渡した後も、企画段階では想定できなかった細かい内容の調整業務があり、一度スタートした企画は製品が発売されるまで関わっていきます 」
商品企画は、製品の企画段階から発売までずっと携わる仕事なのですね!
商品開発についての職業紹介、詳しくはこちら!
商品プランナーとはどんな仕事?進路の選び方・資格・活躍できる業界をやさしく解説
商品企画の役割

カシオの商品企画の仕事には、最新の市場動向を見ながら、今後の方針を決定していくことも含まれているとか。
「こんな商品が欲しい」という要望はどこから来ることが多いのでしょうか。
「開発から”こんな技術があるから使えるよ”と提案されたり、ユーザーに近い存在である営業の方から提案されることが多いですね」
商品企画に必要なスキル

甲斐さんは、世界で1000モデル以上ある電卓を担当しているうちの1人。
商品企画に必要なスキルはどのように培われていったのでしょうか。
どんな経緯で商品企画をすることになったのか、聞いてみました。
仕様設計を経て商品開発へ
今は商品企画をされている甲斐さん。
入社してから10年は関数電卓、その後5年間のネイルプリンターに携わり、現在の一般電卓の商品企画のお仕事をされることになったそうです。
※電卓には家庭などで計算のために使う「一般電卓」と、複雑な計算や関数を扱うことができる「関数電卓」があります。
最初は関数電卓の仕様設計と仕様評価
「関数電卓の開発では、仕様設計と評価業務を行っていました。
私が業務に携わっていたころの関数電卓はグラフ関数電卓(グラフが描ける関数電卓)がカラー化したり、スタンダード関数電卓がフルドット表示になるなどの大きな仕様変更が入った時期でした。
それらの仕様設計(ソフトの動きの決まり事を記載した書類)とできあがったソフトウェアが仕様設計通りに動いているか、ユーザーの方が使いやすいものになっているか、という評価業務を行っていました 」
ネイルプリンターで商品設計へ
「ネイルプリンターの商品企画は自分から”やってみたい!”と声を上げました。仕様設計よりも広い視点でのものづくりをしてみたかったんです。
ネイルプリンターでは市場調査の期間も長く、使った方の感想を直接伺うこともありました。
目の前でネイルプリンターの精度の高さに驚いたり喜んでくださる姿を見れるのはとても嬉しかったです。
今の電卓では営業などを通して世界中からユーザーの声をいただくので、いつかその国に行って直接話を伺えたらなと思っています。Amazonなどのレビューもチェックしていますよ」
使っていただいた方の声を丁寧に拾っていくことが、次の商品企画につながるのかもしれませんね!
一般電卓の商品設計
ネイルプリンターの商品企画から一般電卓の商品企画に移った甲斐さん。
商品企画で大事にしているのはユーザー第一であること。
「カシオのパーパスである「驚きを身近にする力でひとりひとりに今日を超える歓びを」に沿い、当社の強みを生かしてお客様に選んでいただける商品を作っています」
「商品企画は製造や設計、デザイン、営業と関わりますが、各部門が円滑に仕事ができるようにするのも商品企画の仕事です。
他社とは違うかもしれませんが、カシオの商品企画の業務の一つですね」
商品企画をするうえで、競合他社と優位性をつけるためにどんなことをされているのでしょうか。
「電卓は、すでにたくさんの人に使っていただいており、新しく買う人が急に増えることがないものです。
なので、自分で使う一台目として手に取っていただけるような工夫をしています。
たとえば、キーの並びです。カシオの電卓には「AC」の下に「0」、「1」の下に「00」が配置されている電卓があるのですが、これは手の形と数字の使用シーンを考えて配置しています。」

カシオの電卓。1の真下ではなく、斜め左下に0があります。

1の下に0がある電卓
「もし、1の下に0がある他の電卓のキーの並びに慣れてしまうと、カシオの電卓を使いにくくなってしまいます。だから、いかに1台目でカシオの電卓を選んでいただけるかが大切なんです」
キーの並びにもこだわりがあるのですね!
各部署を経験し、他の部署との連携を行ってきたところから、商品企画に必要なスキルは
- 各部門と連携が取れるコミュニケーション力
- 全体を見れる俯瞰力
- ユーザーの声を聞き、取り入れる受容力
と言えるかもしれません。
AIが普及する中での電卓の役割

スマートフォンやAIが普及する中、電卓の役割は何でしょうか。
物理的なキーで確実に答えを求め、集中できる
「電卓は計算を主な仕事としている人たちを対象に考えています。
簿記、会計士、建築関係、不動産関係の人など、間違えてはいけない場面で、物理的なキーをたたくことにより、確実に答えを求めることができます。
また、スマートフォンだと、計算しようと思って触っていたはずが、他のアプリも気になって注意が散漫になってしまうことも。
計算だけしたいときに、集中するのに電卓はいいと思います」
スマートフォンのようにタッチキーや画面タッチで入力するのと違って、物理的にキーを押すことでブラインドタッチができる、という利点もありますね。
家庭でも家計簿をつける時に、画面タッチで入力できているかを確認しながら進めるよりも、電卓を使った方がスピードアップできそうです。
電卓で何を求めたいかにフォーカスできる
子どもたちが電卓を使うイベントも夏休みにあるそうです。
「夏に樫尾俊雄発明記念館で電卓の使い方を子どもたちに教えています。
電卓は計算しかできないのが強み。
この電卓で何を求めたいのかを考えさせる問題を子どもに出しました。
たとえば、「古米と新米、1キロいくらだと思う?」という計算だけでなく、「買うならどっちがいい?」とその先を考えるツールとして使ってもらいたいと考えています。
何を求めるかにフォーカスするために電卓を使ってほしいですね」
「計算する」と言えば、パソコンのスプレッドシートが思い浮かびます。
電卓との違いは何でしょうか?
「スプレッドシートやエクセルは、複雑な計算や大量の表データをまとめて扱うのに向いていますが、ちょっとした計算を行うときには電卓を使用するのが向いていると思います。
たとえば、請求書の清算、飲み会の割り勘計算、スーパーで同じ商品の異なる個数・金額のものはどちらのほうがお得か、など挙げていくときりがありませんね」
やりたい事をより明確にして使うのが電卓と言えそうです。
新しい電卓はどう生まれる? 企画の裏側

新しいデザインとは
新しい電卓は、どんなものがあるのでしょう。
「12月に発売したスタイリッシュな電卓は、液晶の下にソーラーパネルを配置し、表示窓を一つにまとめました。
これにより、パネルの面積を最大限に見せつつ、シンプルで洗練されたデザインを実現しています。
より生活になじみ、今のトレンドを意識した電卓ですね」
「また、デザイン電卓「Comfy」では、従来は操作面にあったソーラーパネルを本体上部の側面へ移動しました。
この工夫により、操作時に余計なパネルが視界に入らず、よりシンプルでミニマルなデザインを実現しています」
色が豊富なのもカシオの電卓の特徴です。
「カラフル電卓は自分の趣味嗜好に合わせて選んでほしいです!
落ち着いた色、鮮やかな色など多用なカラー展開を用意しました。10色ありますので、お好みのものを使っていただければうれしいです」
色やデザインはトレンドを意識しているそうです。
「カラフル電卓の色は、モノトーンやパステルといった人気色だけでなく、インテリアのトレンドや気持ちが華やかになるカラーを取り入れています。
デザインはデザイナーさんが考えてくれています。”これが好き!”という感性で選んでいただけたらうれしいです」
スタイリッシュ電卓では高級感のあるメタルの質感を楽しめるヘアラインやブラスト仕上げの2色(ブラック・ブルー・ゴールド)と、上品なきらめきを楽しめるマットパール仕上げの3色(ホワイト・グリーン)といった多彩なバリエーションを揃えたとのことでした。
たくさんの種類がありますね。
新製品のアイデアはどこから?
たくさんの種類の電卓。新製品のアイデアはどこからくるのでしょうか。
「ユーザーからの要望だったり、ユーザーに近い営業からもらったり。
設計から「こういう事できる」と言われてやってみたり、自分で技術を探しに行くこともあります。
周りから情報をもらって「次こんなことやろうか」となることが多いですね。
「これを作りたい」という思いが強いものから作っていっています」
驚きを身近にするものにするものが作りたいのだそうです。
今後作りたい電卓は?
今後は使うだけで楽しくなれる電卓を作っていきたい、という甲斐さん。
「計算するだけじゃなくて、持ってるだけで気分が上がるもの」と、2025年12月4日にムーミンの電卓が発表されました。
「好きなキャラクターや推しをきっかけに、電卓を使ってもらえたらと思い、コラボを企画しました。
ムーミンは80周年、電卓は60周年という節目の年というのも企画の後押しになりました」
企画をするうえで印象的だったこと
「今回のムーミンの電卓のリトルミイのデザインです」と甲斐さん。
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提供元:カシオ計算機株式会社
「今回のムーミン電卓では、リトルミイのデザインについて、社内でもさまざまな意見がありました。
電卓としての使いやすさとのバランスを考え、色味の表現について慎重に検討を重ねました。
『かわいい』『リトルミイらしい』といった前向きな声も多く寄せられました。
そこでライセンサーさんのご協力のもと、最終的に鮮やかなリトルミイのデザインを採用しています」
新しい商品、デザインはたくさんの人の意見からできているんですね。
新発売されたムーミンの電卓はこちらから!
人気キャラクター「ムーミン」とのコラボレーションモデル
企画をしたい子どもたちに親ができること

最後に、商品企画に興味がある子どもたちに親ができることを聞いてみました。
「興味を持ったことに挑戦して、いろんなことを経験していくのがいいんじゃないかなと思います」
子どもの興味のあることに対する探求心にはすごいものがあります。
「夏休みのイベントで、「恐竜はこの大きさです。何かと比較して、何倍になるか計算してみましょう」という問題を出したんです。
そうしたら、周りにはない物をたくさん出してくれました。
子どもの探求心ってすごいですね。
将来的に、電卓の使用するシーンも一緒に考えてみたいなと思います」
過去には、電卓で野球ができる野球電卓などのゲーム電卓があったそう。
「また復活したら子どもが喜んで使ってくれるんじゃないかなと思います」
いろいろなことを体験して、いろいろなことに興味を持つ。
それが子どもたちの未来を拡げる可能性を持っているかもしれませんね。
「驚きを身近にする力でひとりひとりに今日を超える歓びを。」を体現する商品を作りたい
今後も「使って楽しい、持っているだけでも楽しい」電卓を作りたいという甲斐さん。
電卓を使っていると、指が視界に入ってきます。女性は特に指がきれいに見えると嬉しいので、そんな電卓があるといいなと思います」
長い爪でもきれいに打てる電卓や、使う動きで指がきれいに見える電卓が世に出る日も近いかもしれませんね。
身近な「こんなのあったらいいな」を商品のアイデアにする「商品企画」のお仕事。
みらいいパークにも「商品プランナー」としてゲームもあるので、ぜひ見てみてくださいね!
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